和7年度リカレント教育事業 成果報告
『京都観光の付加価値向上に寄与する産学官連携アップデートプログラムの推進』
事業の背景と目的
世界中で観光が再開し、日本でも入国制限の緩和により回復基調にある中、持続可能な観光への関心が高まり、新しい形の観光が求められています。特に観光業界では、労働生産性の低さや人材不足という積年の課題を抱えており、需要の高まりに応えるためには人材確保と人材育成への注力が不可欠です。
京都では上質宿泊施設誘致制度により、今後も10件以上のラグジュアリーホテルの開業が予定されています。2025年の大阪・関西万博を控え、世界の脚光を浴びる絶好のチャンスである今こそ、最新の技術・知識をアップデートする教育プログラムの推進が重要です。
実施体制の特徴
本事業では、宿泊業界だけでなく、行政・各種団体・メディア・観光DX系企業・金融機関・交通系企業など幅広いステークホルダーと連携。京都観光アカデミーや京都大学MBAとも協力し、専門職業人材から経営人材まで幅広い層にプログラムを提供しました。
3つの委員会体制:
- 事業運営委員会: 事業全般のコーディネート
- プログラム検討委員会: アップデートプログラムの検討・開発
- 外部評価委員会: 教育コンテンツの実証後評価
主な成果
1. 動画コンテンツの制作(全43本)
講座用動画(10本)
- GOOD NATURE HOTEL KYOTO 総支配人によるホスピタリティ業界の未来展望
- 山ばな平八茶屋による料亭のホスピタリティ
- VRで学ぶホスピタリティ
- 近鉄・都ホテルズによる心に響くおもてなしの真髄
- エースホテル京都によるこれからのホスピタリティ
- 十四春旅館によるプロとしてのおもてなし力
多言語動画(12本) グローバル展開を見据え、英語版の実務動画を制作:
- ベッドメイク、ルームインスペクション、会計業務の基本
- フルサービス型・リミテッドサービス型ホテルの実務
- レストランサービスの応用(全6本)
リカレント教育啓発動画(20本) 宿泊業で働く魅力や京都で働く意義を発信し、業界へのプライドを高める内容
成果報告動画(1本) 事業全体の取組内容と成果を発信
2. 広報ツールの展開
- パンフレット制作: ホテル・旅館、京都府生涯現役クリエイティブセンターなど公共施設に配布
- Webサイト構築: https://hotelschoolkyoto.com/
- Web広告展開: サービス業・ホスピタリティ業界で働く人や働きたい人への認知拡大
3. 第3期プログラムの実施成果
オンラインプログラム『”京都発”観光ホスピタリティの未来形』
- 期間: 2025年10月1日〜11月30日(2ヶ月・30時間)
- 参加者: 284名(全体受講192名、テーマ別30名、部分受講62名)
- 個人単位161名、法人単位123名
- 3つのテーマで30講座を展開:
- テーマ1: 観光×接遇・付加価値
- テーマ2: 観光×DX・テクノロジー
- テーマ3: 観光×京都・文化
対面プログラム①『問い直す、ホスピタリティ』
- 期間: 2025年11月4、11、18、25日(4日間・8時間)
- 参加者: 延べ27名
- 内容: VR体験含む実践的なホスピタリティ学習
対面プログラム②『ホスピタリティ再創造プログラム in 京都』
- 期間: 2025年12月8〜9日(2日間・6時間)
- 参加者: 10名
- 内容: グループワーク、プレゼンテーション、ラグジュアリーホテル見学
4. リカレント教育フェアの開催
- 日時: 2025年12月2日
- 形式: ハイブリッド型(会場11名、オンライン11名参加)
- 場所: 京都信用金庫 QUESTION
- 内容: 事業報告と温故知新の取組事例講演
5. 先行事例調査
東京の主要ホテル8社を訪問し、人材育成・リカレント教育の実態を調査:
- 現在の経営課題(人材関連)
- 人材育成の取組状況と課題
- 人材確保・定着の施策
- IT活用状況とIT人材育成
連携機関
構成機関: 京都ホテル観光ブライダル専門学校ほか大和学園3校、京都大学MBA、立命館大学MBA、裏千家学園、京都民際日本語学校
企業・団体: JR西日本ホテル開発、西武・プリンスホテルズ、東急リゾーツ&ステイ、ブライトンコーポレーション、三井不動産リゾートマネジメント、リッツ・カールトン京都、炭屋旅館、十四春旅館ほか14社
行政機関: 京都府、京都市、宮津市、京都府生涯現役クリエイティブセンター、京都府観光連盟、京都市観光協会ほか
今後の展望
今年度は過去最多となる延べ321名の受講生を集めることができました。対面授業でディスカッション、グループワーク、プレゼンテーションを盛り込み、知識の定着につなげる工夫も実施。一方で、修了率の向上が今後の課題となっており、プログラム内容と受講支援の仕組みをさらにブラッシュアップし、事業の自走化を目指します。
本事業は文部科学省「専門職業人材の最新技能アップデートのための専修学校リカレント教育推進事業」の委託事業として実施しました。





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